夏の除湿と冬の加湿に、ペットボトルとフライパン

加湿・除湿画像
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こんにちは、理系夫婦の夫たんたん(@rikeifufu_otto)です!

今は4月。

寒さと静電気からそろそろ解放されると思ったら、すぐに蒸し暑い日が来そう。

これ全部湿度のせい。みなさんも夏のじめじめ冬の乾燥、気になるよね?

私の家にも加湿器や除湿機はあるものの、もっとグッと湿度を変えられないかと考えたことがある。

要は、空気中の水蒸気を増やしたり、減らしたりすれば良いので、水を蒸発、結露させて除去すれば良いはず。

でも実際に部屋の湿度をグッと上げ下げするにはどうしたらいいのか

そこで、私が実行しているのは、

  1. 冬には、沸騰させた水の入ったフライパンを持って、部屋中を歩き回り、加湿
  2. 夏には、凍らしたペットボトルを部屋に置いて、除湿

ちゃんとした理系なので、今回は以前から実行しているこの対策について、その効果の度合いを計算してみた。

目次

概要

夏の蒸し暑い日には凍らせたペットボトルを部屋に置き、結露を利用して除湿ができる。

冬の乾燥した日にはフライパンで水を沸騰、蒸発させて、加湿ができる。

それぞれ、10%だけ湿度を変化させるには次の量だけ、結露、蒸発が必要となる。

  • 20℃ → 130g
  • 25℃ → 170g
  • 30℃ → 220g

ただし、16畳の部屋を仮定

フライパンによる加湿なら5分程度あれば10%ほどの加湿効果が得られる。

だが、ペットボトルによる除湿の場合には、1時間絶えず結露させてやっと10%ほど除湿できる

課題

湿度の値は、飽和水蒸気量の値を100%としていて、その飽和水蒸気量は気温によって変化する。

これを考慮しつつ、各温度で10%だけ湿度を変えるには、空気中水蒸気量をどれだけ変化させなければならないかを計算する。

まずは単位体積(1\(m^3\))あたりの量を計算して、そのあとで実際の部屋の場合を計算する。

飽和水蒸気量とは

大気圧中の空気には、含めることのできる最大水蒸気量が決まっている。

これを飽和水蒸気量といい、この値には気温依存性がある。

実験的に次のような式がある。

$$ a(T)=\frac{217\times e(T)}{T+273.15} $$

ここで\( a [{\rm g/cm^3}] \)が飽和水蒸気量、\( T [{\rm ^\circ C}] \) が室温、\( e [{\rm hPa}] \) は飽和水蒸気圧と呼ばれていて、次のように計算できる。

$$ e(T) = 6.1078\times 10^{\frac{7.5T}{T+237.3}} $$

上記の\( a(T) \)をグラフにすると次のようになる。

これがなにを表しているかというと、例えば、室温が20℃の時に飽和水蒸気量は17.2[g/m^3]であることが読み取れる。この数字が湿度100%となる。

もしも、水蒸気量が空気中に8.6[g/m^3]しかないのであれば、その時の湿度hは

$$ h=\frac{8.6}{17.3} * 100 = 50 [\%] $$

となる。

10%湿度を変えるのに必要な水蒸気量

ここで、温度20, 25, 30℃のそれぞれの場合に次の様な10%の湿度変化をさせるにはどれだけの水蒸気量を変える必要があるかを考える。

気温開始湿度[%]目標湿度[%]備考
203040冬に加湿したい場合を想定
253040
308070夏に除湿したい場合を想定

部屋の大きさはうちのリビング(~16畳)を想定して、計算を行う。

天井の高さを測定したら2.5mあったので、部屋の体積Vは

$$ V = 16\times 1.82\times 2.5 \simeq 73 [{\rm m^3}] $$

となる。

一応、室温を\( T [{\rm ^\circ C}] \)、開始湿度を\( h_0[\%] \)、目標湿度を\( h_t[\%] \)、部屋の体積を\( V [{\rm m^3}] \)とすると、変化に必要な水蒸気量\( \Delta m_{H2O}[{\rm g/m^3}] \)を式で表してみる。

$$ \Delta m_{H2O} = a(T)\left(\frac{h_t}{100} – \frac{h_0}{100}\right) V $$

以上のことを使って、必要な水蒸気量を計算すると下記のようになった。

気温開始湿度[%]目標湿度[%]飽和水蒸気量\( [{\rm g/m^3}] \)必要な水蒸気量(16畳)[g]
20304017.2+126
25304023.0+168
30807030.3-221

気温が上がると10%の湿度変化に必要な水蒸気量が大きくなっていることがわかる。

これは飽和水蒸気量が気温とともに上昇しているから当然である。

フライパンとペットボトルはどれだけ効果があるのか

では実際に、フライパンでの沸騰・蒸発による加湿、氷入りのペットボトル(2L)による除湿は効果があるほどの影響を与えうるかを見てみる。

実験は面倒なので、ここは概算する。5分でどれだけの水を蒸発、結露させられるかを簡単にえいやと見積もってみると下記の様なオーダーだろう。

5分で加湿、除湿できる量[g] 湿度10%変化に必要な量[g]
フライパン200126@20℃
ペットボトル20221@30℃

ということは、冬ならフライパンで水を蒸発させれば、5分程度で10%の加湿が可能そう。

だが、ペットボトルによる除湿の場合には、1時間絶えず結露させてやっと10%ほど除湿できる。大量にペットボトルを用意すればいいかも。

(ただし、家具などによる吸湿、放湿効果は含んでいない。)

皆さんも冬はフライパンで加湿をしてはいかが?

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この記事を書いた人

天文の博士号をもつ理系パパ。
3歳の娘を子育て中。
最近はダイエットに挑戦中!

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