【VBA入門】ファイル読み込み方法はこの2つを知っていれば十分

2019 9/03
【VBA入門】ファイル読み込み方法はこの2つを知っていれば十分

こんにちは、理系夫婦の妻まゆみ(@rikeifufu_tsuma)です。

VBAについての記事が3回目となりました。
プログラミングをやった事ない人でも、簡単にVBAでプログラミングをし業務効率化を図れるようにと、分かり易い説明を目指して記事を書いています。

今回は、VBAでファイルを読み込む方法を2種類紹介します。

1つはExcelのブック形式で読み込む方法。

2つ目はテキストファイルを読み込む方法です。

VBAでのツール開発を数年やってきましたが、ファイル読み込みは今回紹介する2つの方法さえ知っていれば問題ありません。

今回のサンプルプログラムでは、どちらの方法もCSVファイル(カンマ区切りのデータファイル)を読み込ませています。
CSVファイルはテキストデータですが、Excelとも互換性があり、Excelのブック形式で読み込むことができる便利なフォーマットです。

今回使用したCSVファイルは、気象庁の以下のページから気温データをCSV形式でダウンロードしたものです。
https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/

※使用しているExcelバージョンはExcel2019です。

目次

Excelブック形式で読み込む方法

Excelファイル(.xlsx)やCSVファイル(.csv)を読み込む場合は、こちらの方法を使います。

ソースコード

CSVファイルをExcel形式で開き、シートの内容をコピペするコードです。

ソースコードの説明

このソースの処理の流れは、

  • ユーザーにファイルを選択してもらう
  • ファイルを開く
  • シートごとコピペ
  • ファイルを閉じる

です。

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ファイル選択ダイアログの表示

ファイル選択ダイアログを表示し、ユーザーにファイルを選んでもらいます。
ファイル選択ダイアログとは、以下のようなウィンドウです。

ファイル選択ダイアログ
ファイル選択ダイアログ

これを表示するのが

Application.GetOpenFilename

関数です。

この1行でファイル選択のウィンドウが表示できるなんて、楽ですね。

GetOpenFilename関数の引数には、ファイルの拡張子を指定します。

この部分です。

ファイル選択ダイアログの拡張子の指定
ファイル選択ダイアログの拡張子の指定

テキストファイルを指定したいなら、

(“Textファイル(.txt),.txt”)

Excelファイルなら

(“Excelファイル(.xlsx),.xlsx)

と指定します。


ファイル選択ダイアログでユーザーがキャンセルした場合、GetOpenFilename関数は「False」を返します。
なので、ユーザーがファイルを選択したかどうかは、「False」が返ってきたかどうかで判定しています。

また、上記のように、GetOpenFilename関数は、ファイル名またはFalseを返すため、戻り値を受ける変数はvariant変数にしています。variant変数は、なんでも入れられる変数として便利なものです。

戻り値がFalseでないと確認してから、文字列変数にファイル名を代入していますが、別に代入しないでそのまま使用してもいいと思います。

ファイルのオープン

ファイルをExcel形式で開く場合は、Workbooks関数で開きます。

Workbooks.Open ファイル名

すでにファイルが開かれている場合はエラーになります。
その辺の対処はまた今度。

シートのコピペ

Excelのシートを丸ごとコピペするコードです。

ここでは、

csvSheetがコピーしたいシート(CSVファイル)

mainSheetがシートを貼り付けたいワークブックにあるシートです。

コピー元シート.copy After(Before):=コピー先のブックのシート

となります。After/Beforeはお好みで使用してください。
今回は、コピー元とコピー先が違うワークブックですが、もちろん同じワークブック内のコピペも可能です。

ファイルのクローズ

Excel形式で開かれたファイルを閉じるのは

Excelブック変数.Close

の1行でOK。

Excelブック・シートを変数に入れたい場合

ここまで真面目に読んでくれたかたは、不思議に思っていることがあると思います。

これ、なんやねん?と。

これは、Excelブックやシートを変数にしています。

そうすると、コピペや閉じるといったコードが楽に書けます。

言い換えると、そうしないと面倒なので、あえて変数にしています。

Set 変数名 = シートやブック

で変数に入れ、

Set 変数名 = Nothing

でメモリから解放しています。

例えば、変数に入れないでブックをクローズする場合、

Workbooks(“ファイル名”).Close

としなければいけませんが、この「ファイル名」が「Book1.xlsx」といったパスなしのファイル名なので面倒くさいのです。
パスなしのファイル名を取得する手間よりも、ブックを変数に入れておいた方が楽にコードが書けます。

詳しく書くのは今回の趣旨から外れちゃうので、さらっとこのくらいに。

これは好みの問題なので、興味がある方は調べてみてください。

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テキストファイルとして読み込む方法

テキストファイル(.txt)を読み込む場合は、こちらの方法を使います。
もちろん、CSVファイルもこちらの方法が使えます。

ソースコード

CSVファイルをテキストファイルとして1行ずつ読み込み、Excelシートにコピペするコードです。

ソースコードの説明

ファイル選択ダイアログの表示はExcel形式で読み込む方法と全く同じです。

違いはファイルのオープンからクローズまで。

ファイルのオープン

ファイルのオープンは

Open ファイル名 For Input As #No

です。

「No」にはファイル番号を設定します。今回は1つのファイルだけなので「1」にしました。

複数ファイルを読み込んだり書き込んだりする場合は、番号が混合しないように注意が必要です。

データ読み込み

テキストファイルのデータを1行ずつ読み込むのは

Line Input #No, 文字列変数

となります。「No」には、ファイルオープンの際に指定したNoを入れます。
「#」を付けるのを忘れずに。

そして、データをファイルの最後(終端)まで繰り返し読み込みたい場合は、

Do Until EOF(1)
Line Input #No, 文字列変数
Loop

とします。Doループで終端(EOF)まで繰り返し、1行ずつ読み込ませるコードです。

シートへの書き出し

Line Inputで読み込んだ1行をExcelシートへ書き出すコードです。

文字列操作が入っていて、ちょっと複雑かもしれません。さらっといきますね。

variant変数 = split(文字列変数, “,”)

で、1行分の文字列を、カンマ区切りごとに取り出し、配列に格納しています。
variant変数とは、簡単に言うと「なんでも入れられる変数」です。
今回のような、要素数が何個なのか分からない配列を使いたい場合、variant変数を使うのが便利です。

カンマ区切りで取り出した後は、1つずつExcelシート上のセルに書き込んでいきます。

For Int変数 = 0 to UBound(variant変数)
シート.cells(行番号, 列番号+1) = variant変数(要素番号)
Next Int変数

For文を使い、配列に格納した文字列を1つずつセルに書き込んでいます。

For文はC言語などとは少し違い、

For Int変数= 開始番号 To 終了番号

となります。

ちなみに、splitで配列に格納した場合、配列要素の開始は0です。
なので、セルに書き込む際の列番号は「+1」しないとエラーになります。

また、配列の最後の要素番号はUBound(配列名)で表せます。

ファイルのクローズ

最後にファイルを閉じるのを忘れないようにしましょう。

Close #No

この1文でOKです。「No」はファイルオープン時に指定した番号を入れます。


サンプルプログラムの実行結果のキャプチャです。
1つ目が、CSVファイルをテキスト形式で表示した画面です。
2つ目が、サンプルプログラムを実行して、ExcelシートにCSVファイルの内容を読み込んだ結果になります。

CSVファイルをテキストで表示
CSVファイルをテキストで表示
CSVファイル読み込み結果
CSVファイル読み込み結果

さいごに

VBAでファイルのデータを読み込む方法を紹介しました。

2通りの方法、どちらもシンプルでよく使う方法です。

次は、読み込んだデータからグラフを作成する方法を紹介しますね。

んじゃ、また~

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この記事を書いた人

理系夫婦の妻のほうです。
大学、大学院(修士)で物理を専攻。
2016年に長女を出産、2021年に長男を出産。
フルタイム勤務ワーママ→休職→専業主婦。

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