暑いね
暑いね
打ち水でもするか!
意味あんの?それ?
さぁ〜?
計算したことはない
じゃ、計算して
。。。
背景
夏になると、クーラーをつけますが、それでも太陽に勝てない時がありますよね?
昔ながらの方法で、「打ち水」がありますが、これは果たして効果があるのだろうか?
効果のある打ち水を行うにはどうしたらいいのか?
実際に計算してみました。
そもそも打ち水とは、暑い日に水を撒いて、その気化熱で温度を下げようというもの。
水を撒くので、その分、湿度が上がる欠点が昔言われており、朝に撒くと良いとされていました。
しかし、現在では空調の効いた部屋は外とは隔離されており、外で打ち水をする分には、室内の湿度はそれほど変わらないと思います。
今回は湿度は気にせず、ベランダに打ち水を行うことで、どれだけの冷却効果(= 空調節電効果)があるかを計算してみました。
打ち水の効果の計算法
計算された結果が効果的か効果的でないかを判断するには何か基準が必要ですね。
そこでまずは太陽によるベランダへの熱流入を調べて、これを基準に打ち水がどれだけの効果があるかをみてみましょう。
例えば夏の日の正午頃の太陽からのエネルギー=日射量を調べてみました。
ここ(山口大学)によると、夏の日射量の最大値は12時で\( \sigma_{sun} = 3.31 {\rm MJ/m^2} \)程度あるという。
これは実は瞬間積算値で、正しくは、\( 3.31 {\rm MJ/m^2/h} \)と記載すべきだろう。
つまり1時間の間に太陽からくるエネルギーがこの程度ということ。
一方で打ち水の効果はどうだろうか。
調べてみると、水の蒸発熱は\( \alpha = 2.442 MJ/kg \)らしい。(wiki)
つまり、1Lの水を全て蒸発させられたら、これだけのエネルギーを奪うことができる。
案外、どっこいどっこい。
実際の状況での効果は?
➡︎ 2L撒けば、15%だけ太陽エネルギーをキャンセル!
実際に我が家の場合で考えてみる。
夏の正午にベランダ(A=5m×2m=10 \( {\rm m^2} \) )に水を撒いた場合を考える。
1時間に太陽から降り注がれるエネルギー\( E_{in} \)は、
$$ E_{in} = A\sigma_{sun} = 33.1 {\rm MJ/m^2/h} $$
となります。
一方で、打ち水を\( V_{w} = \)2L行った場合による冷却効果\( E_{cold} \)は、
$$ E_{cold} = \alpha V_{w} = 4.88 {\rm MJ/m^2} $$
となる。(なおここで水1Lは1kgだとした。)
ということで1時間に1回2Lだけ水を撒いてあげれば、\( \frac{4.88}{33.1} = 15\% \)だけ太陽からのエネルギーをキャンセルさせることができそう。
10 \( {\rm m^2} \)に2Lの水なら流れずに、蒸発させられるくらいの量だろう。
今回はいろいろ理想的な状況(撒いた水は全て蒸発するなど)を考えたけど、大まかな「打ち水の効果」としては、こんなところでしょう。
OK!
じゃ、夏は1時間に1回、超絶暑いベランダで水を撒いてきてね。
ただし、ちゃんと全体に撒いて、ちゃんと蒸発するようにしてね!
参照
山口大学(代表的な日射量): http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~yamaharu/tenki9.htm
気象庁(もう少し正確に日射量を知りたい方): https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/radiation/data_rad.html
Wikipedia(気化熱=蒸発熱): https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%92%B8%E7%99%BA%E7%86%B1
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